2010年8月交流会

多様な主体による「街なか」商店街の活性化
〜円頓寺商店街における取り組み〜

1.概要

■開催日  2010年8月6日(金)
         16:00〜17:00 事前説明
         17:00〜18:00 現地説明・まち歩き

■趣旨

 名古屋市西区那古野の円頓寺・四間道界隈における、多様な主体によるまちづくりに着目した。
 円頓寺商店街界隈は、城下町の形成とともにできたまちで、四間道などの歴史的文化資産が今なお残っている。往時の賑わいを取り戻そうと、商店街はもちろん、専門家や学生といった様々な主体も一緒になり、まち全体で活性化に取り組み始めている。円頓寺・四間道界隈でのまちづくりの取り組み等について、お話を伺うとともに、視察を行った。


■参加者  計25名


2.事前説明

■紹介者
  • 高木麻里 氏(円頓寺商店街振興組合理事長)

  • 飯田幸恵 氏(円頓寺本町商店街振興組合理事)
■内容

@円頓寺商店街とは

 1)3つの商店街
  • 円頓寺商店街と一般的に呼ばれるが、円頓寺商店街振興組合・円頓寺本町商店街振興組合・西円頓寺商店街発展会という3つの商店街の総称。
 2)城下町と商店街の形成
  • 名古屋城下町の形成とともにできたまちで、江戸時代に開慶座から五条橋までが盛り場になったと言われている。

  • 明治時代に門前町として東の円頓寺商店街が、その後周辺の繊維工場建設により西円頓寺商店街が、さらに交通網の発達により中央に円頓寺本町商店街が形成され、現在に至る。

  • 四間道は元禄の大火後に道幅を「四間=約7m」に拡げたことから、その名がついたとも言われる。土蔵や町家を再利用する店舗ができたり、歩道が整備され、観光やまち歩きに訪れる人は増えている。
 3)昭和以降の円頓寺商店街
  • 昭和20年の名古屋大空襲により商店街一帯は全焼するものの、復興は早く、多くの人で賑わう昭和24年のクリスマス大売出しの写真も残されている。

  • 昭和39年のアーケード完成前にはテレビ塔を見ることもできた。超高層ビルが林立する名駅のすぐそばに、下町の雰囲気を残す商店街があることに驚かれる観光客も多い。
A円頓寺・四間道界隈の取り組み

 1)商店街を中心とした取り組み
  • 円頓寺七夕まつり:昭和20年代に行っていた夏まつりが、昭和30年代に七夕まつりに変わり、今年で55回を迎えた。昭和39年にアーケードができてからはハリボテを飾る現在の形になった。

  • 藁の棲:平成16年度から20年度まで、県の支援を受けながら学生とともに行った事業。藁と土を材料にするストローベイル工法によって空き店舗内部を改修し、ギャラリーやイベントに利用した。
 2)商店街以外の主体による取り組み
  • 縁側妄想会議編集室:名古屋のあるく下町情報誌「ポゥ」(マップ付き無料情報誌)を年2回発行している。

  • 那古野一丁目まちづくり研究会:四間道の蔵や屋根神さまがなくなることの危機感から集まった団体で、平成18年には史跡表札の設置を行った。

  • 那古野下町衆:商店街の店主や建築家、学識経験者などにより、界隈を活性化するために組織化。着物でまち歩きを楽しむための名古屋下町散歩日和などのイベントを実施する。那古野下町衆の一部がナゴノダナバンクとして、空き店舗所有者と出店希望者をつなぐことで、新たにオープンした店舗もある。
 3)商店街が協力する取り組み
  • 商店街の場としての魅力を感じる主体も増えてきた。ブックマークナゴヤによる一箱古本市、学生による映画祭、企業によるエコイベントなどは商店街が協力し、商店街において開催されている。


3.現地説明・まち歩き

  • ナゴノスペース→円頓寺本町商店街→円頓寺商店街→圓頓寺→慶栄寺→四間道
    →円頓寺銀座街→円頓寺商店街

■事前説明及び視察風景写真

事前説明

視察風景
(円頓寺本町商店街)

視察風景
(圓頓寺)

視察風景
(飲食店として新たにオープン)

視察風景
(慶栄寺)

視察風景
(四間道)


(金子 祐子/(株)国際開発コンサルタンツ 名古屋支店)


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