2007年度8月交流会

岐阜市の中心市街地活性化の取り組みを学ぶ

【日時】2007年8月3日(金) 14:00〜18:00
【場所】岐阜市中心市街地活性化エリア内
【参加者】24名

【講師】
  岐阜市まちづくり推進部まちづくり推進政策室 辻川琢也様
 岐阜市都市建設部市街地再開発室 川島 幸美津様

【スケジュール】
 14:00〜15:00 主旨説明・まちなか散策(柳ヶ瀬周辺)
 15:10〜16:30 講演:辻川琢也氏・川島幸美津氏
 16:35〜17:40 岐阜シティ・タワー43現地見学
 18:00〜    懇親会

【岐阜の中心市街地まちなか散策(柳ヶ瀬地区〜岐阜駅周辺)】


柳ケ瀬での説明の様子

柳ケ瀬での説明の様子


まちなか散策の様子

まちなか散策の様子


まちなか散策の様子

まちなか散策の様子
●柳ヶ瀬地区
  • 島屋の1F・2F部分にはもともと店舗部分はなかったが、都市再生緊急整備地域の指定等により容積率が緩和され、その部分が店舗として増床された。平成17年10月リニューアルオープン。その後1年間の売上は対前年比で約2割増を達成し、柳ケ瀬のにぎわい回復に大きく貢献している。
  • 高島屋南地区再開発事業は、隣接する島屋とともに柳ケ瀬におけるにぎわい核を形成するため、住宅、商業、公共施設の整備を進めるものである。このうち公共施設については、具体的に何を導入するかの検討が進められている。
  • 閉店した大型店舗のうち、センサ(旧タマコシが経営)・長崎屋は未だ空き店舗となっており、未だ新計画が決まらない。
  • 地区全体(300m×300m)で約600店舗あるが、そのうち40店舗は空き店舗となっている。また、地区内の建物の老朽化が問題となっている。

●玉宮地区
  • まちづくり協議会が平成2年に設立され、平成4年には道路から1.5mセットバックして前面空地を確保する、半地下構造の建物を建築するなどの“まちづくり協定”が締結されている。
  • 岐阜市では、地元の取り組みを支援するため、道路から1.5mセットバックし、かつ道路側0.5m以上を歩行者空間に提供する場合、それにかかる整備費の一部を補助している。

●岐阜駅周辺地区
  • 駅前に立地していた大型店舗のうち、新岐阜百貨店は平成17年12月、岐阜パルコは平成18年8月にそれぞれ閉店した。跡地については、新岐阜百貨店跡地に低層の商業ビルが建設され、平成20年中にオープン予定である。
  • JR岐阜駅北口駅前広場整備事業は、「杜の中の駅」というコンセプトで整備が進められ、例えば従前からある「くすの木」をそのままの位置に残したりする工夫を施している。また、駅に降り立ったときに岐阜なるものを感じることができるよう、施設、緑、色彩、光の様々なデザインに岐阜らしさを取り入れている。市制120周年を迎える平成21年度に完成予定。



【講演@岐阜市の中心市街地活性化の取り組みについて】

岐阜市まちづくり推進部まちづくり推進政策室 辻川琢也様
  • 岐阜市では、旧法に基づく基本計画を策定したが、結果的には活性化するには至らなかった。その要因の一つには、区域が約650haと広すぎ、事業効果が発揮されなかったことがあげられる。
  • そこで新法に基づく基本計画では、区域を約100haに絞り込み、選択と集中という考え方に基づき限られた財源を集中投資することで活性化を目指すこととした。
  • 策定作業は外部委託することなく職員が自前で実施した。なお、策定過程で最も重視したのが「徹底的な現状分析と地域住民等のニーズ分析」である。
  • 現状分析は、既存の統計資料等をフル活用するとともに、不足するものはその都度現地調査を実施した。ニーズ分析は、中心市街地にかかわる様々な団体との意見交換を実施した。
  • 中心市街地活性化の基本方針として、「まちなか居住の推進」「商業の活性化の増進」「にぎわいの創出」の三本柱を立てた。また、活性化に資する事業として52事業を盛り込んだ。
  • 新法に基づく基本計画で重視させているのが「数値目標」である。中心市街地活性化本部との事前協議でも、半数以上は数値目標に関する協議であった。特に、数値の原単位の算出根拠を明確にすること、フォローアップが適切にできることといった指摘を受けた。

【講演A岐阜駅前西地区市街地再開発事業の概要】

岐阜市都市建設部市街地再開発室 川島 幸美津様

1.事業コンセプト

《全国で認知されるシンボル創造へ》
 計画地は岐阜駅前という利便性の高い場所にある。この立地特性を活かし、少子高齢化社会に対応するとともに、コンパクトシティに向けて推進している都心居住、また駅前の賑わいの創出を促すために、住宅と福祉・医療施設、及び商業施設を一体化した再開発ビル『岐阜シティ・タワー43』を建設している。岐阜市の中心市街地の活性化を図るとともに、岐阜駅前=『タワー43』という全国的に認知されるシンボル拠点となるべく整備している。

《新たな岐阜市のにぎわい空間の創出》
 これまで岐阜の伝統的なイメージを代表してきた織田信長の岐阜城に対し、『岐阜シティ・タワー43』は新しい岐阜を象徴する意欲的なランドマークと位置づけることができる。ここ『岐阜シティ・タワー43』が岐阜市の新しい楽市楽座、交流のムーブメントの起点となるよう計画している。

《バランスの良い都市居住空間の創造》
 岐阜駅前の活性化の方策として、都心居住を促進するため、若い世代から高齢者の方々まで多様な世代の居住ニーズに応えることできる生活支援機能をもった居住プランとした。6階から14階は、365日24時間緊急通報サービスで高齢者に安全な生活を提供する高齢者向け優良賃貸住宅となっている。価格と良質な居住性とのバランスがとれた都心住居を供給することで、この『岐阜シティ・タワー43』は中心市街地の活性化に寄与するものと期待している。

2.フロアー構成

3.建設概要

■ 計画地:岐阜市橋本町2丁目52番地JR岐阜駅前

■ 地区・地域:高度利用地区・商業・防火地域

■ 敷地面積:5,412.12m2(1,637坪)

■ 延床面積:57,600.44m2(17,424坪)

■ 建ぺい率・容積率:85.52%・839.04%

■ 構造・規模:鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造、
   地上43階地下1階建て、高さ162.82m
   (住居を伴う複合タワーとして中部地区No.1の高さ)

■ 住宅総戸数:351戸(分譲243戸、賃貸108戸)

■ 駐車場台数:258台
   (住宅用192台/タワーパーキング、商業施設用66台)

■ 2007.10.13 GRAND OPEN!!

(記録:田中悟・野上智弘/玉野総合コンサルタント株式会社)

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