2004年度8月交流会

堀川再生に向けて
〜堀川1000人調査隊の活動と今後の取り組みについて〜

【日時】 2004年8月19日(木)18:00〜20:30
 【場所】 (財)名古屋都市センター 第3・4会議室

 【参加者】  18名
【講師】 服部 宏 氏(名古屋堀川ライオンズクラブ)


 堀川1000人調査隊の活動記録のVTRを鑑賞したのち、参加者の質問に答えるかたちで、堀川1000人調査隊の活動のポイントや今後の取り組みなどについてフリーディスカッションを行いました。



●堀川1000人調査隊の活動経緯

年 月 内      容
平成15年9月 名古屋堀川ライオンズクラブの“名古屋の「母なる川」堀川の環境改善調査”が内閣府の全国都市再生モデル調査に選定される。
平成1512月〜平成161 調査隊を募集し、参加者は2,007人(217調査隊)となった。
平成16年2月 名古屋市教育館にて結成式及び説明会を開催する。
平成162月〜5

調査隊は個々に調査活動を行う。

※試験的に庄内川から堀川への導水が増量され、それによる堀川の様子(水の汚れや生き物、COD値など)を、調査する。


※詳しい内容は、堀川1000人調査隊ホームページ(http://www.horikawa-lions.com/chousatai/)をご覧ください。


●フリーディスカッションのようす
質 問: 堀川1000人調査隊を企画したきっかけは何ですか?
服部氏: 内閣府の「全国都市再生モデル調査」に応募し、当選しました。市民の手で何らかの調査を行いたいと思ったのがきっかけです。

質 問: 2000人もの人をどのように集めたのですか?
服部氏: ライオンズクラブの「スポンサー制度」を活用して参加者を集めました。ライオンズクラブでは、入会する場合には必ず紹介者がいて、その紹介者は、自分が紹介した人の面倒をみるという制度があります。これを「スポンサー制度」といいます。同じような方法で、ライオンズクラブのメンバーが、個々のネットワークを生かして参加者を募集し、その後の活動もサポートしていきました。

質 問: 実際の中心メンバーは何人くらいですか?
服部氏: ライオンズのメンバーは150人くらいいますが、中心メンバーは7〜8人くらいです。

質 問: 積極的に動いてくれた人はどんな人たちですか?
服部氏: 遊び心のある人、面白がって参加してくれる人は積極的に動いてくれました。義理で参加している人は、あまり積極的ではなかったです。

質 問: 調査の成果は何ですか?
服部氏: 参加することを第一の目的としていましたので、結果は期待していませんでした。したがって、調査結果に対する専門家の評価もありません。

質 問: 導水の効果はありましたか?
服部氏: 猿投橋より上流では、効果が見受けられました。しかし、導水の効果よりも堀川を観てもらう、堀川の様子を感じてもらうことを大切にしました。

質 問: 各調査隊の役割分担はどのようにしましたか?
服部氏: 事務局では、やってもらいたい調査が幾つかありました。それをライオンズクラブのメンバーのネットワークの中で、適当な調査隊に依頼しました。

質 問: 調査して解ったことは何ですか?
服部氏: 堀川の水源である庄内川、八田川の水質が予想以上に悪いことが解りました。導水量を増やしたことで、逆に水質が悪くなったという結果も出ました。ただし、庄内川の工事によって汚れた水が堀川に流れ込んでしまったことも関係しているのかも知れません。また、ゴミが非常に多いことも改めて解りました。そして、今もなお、ゴミが捨てられ続けている状況ですが、市民の監視やPR活動を充実させることでゴミを減らせると思います。さらに、中下流ではヘドロが多く堆積しており、見た目も悪く、くさいということも明らかになりました。ヘドロは、主に浚渫などで対策が進められていますが、竹炭を利用するなど化学的な処理方法も考案されてきています。

質 問: 1000人調査隊は、今後どうなっていくのですか?
服部氏: これまでのような1000人調査隊としての活動は予定していませんが、情報網(ネットワーク)は残っているので、それを生かして新たな活動へつなげていくつもりです。

質 問: インターネットのホームページなどで情報の公開はしていますか?
服部氏: 堀川1000人調査隊のホームページはありますが、ボランティアで運営しています。資金が少ないため、運営には苦労しています。堀川1000人調査隊の活動記録VTRの売り上げなどで賄っています。

質 問: 堀川1000人調査隊が今後するべきことは何ですか?
服部氏: 仲間を増やすことが大切と思います。仲間を増やし、「堀川大連合」の組織化を目標としています。また、ユニークな活動を行ってマスコミに取り上げてもらい、世論を盛り上げ、行政を動かしたいと思っています。行政も、このような民間の活力に期待をしているようです。

質 問: 市民の声が盛り上がってこないと、行政は資金が出せないのでしょうか?もう少し堀川浄化に資金を投入しても良いと思います。
服部氏: 行政からは、資金がないと聞いています。昨今は、福祉などの施策にも力を入れてなければならないようです。まずは、費用をかけずにできないかを考えていると思います。どこにどれだけの資金を投入するかはバランスが大切と思います。ただし、市民からの声が広く、大きくなれば、多くの資金が投入されるため、堀川浄化への市民活動をさらに盛り上げていきたいと思います。

質 問: 小学校の参加はありましたか?
服部氏: 20校くらいの参加がありました。堀川を総合学習の教材にしているケースもあります。

質 問: 愛知万博に向けてPRやイベントを考えていますか?
服部氏: 愛知万博への出展を考えていますが、明確になっていません。来年3月には名古屋港にあるベニスから寄贈されたゴンドラを使って堀川を遊覧することも考えています。また、来年8月には堀川浄化のPRとして市民エコロボットコンテストを開催する予定です。

質 問: 堀川1000人調査隊と行政の関係はどうでしたか?また、行政とのパートナーシップはどうあるべきだと思いますか?
服部氏: いろいろなやり方があるので、一概には言えません。ただ、今回の堀川1000人調査隊の活動は成功事例と思います。このような活動はべき論ではなく、楽しい活動を心掛けることが大切と思います。今回の活動でのパートナーシップとしては、粗大ゴミの通報を受けた時に行政にすぐに動いてもらったことがありました。また、初期の参加者を集める段階でも名古屋市のネットワークを活用して協力してもらいました。日常レベルでの行政と市民との付き合いが機能したと思います。

質 問: 市民のやりたいことを行政がサポートすることがパートナーシップのイメージと思います。どうでしょうか。
服部氏: まさにその通りです。今回の活動では、市民が主役となり、市民ができないことは行政がサポートするという形で進められました。堀川1000調査隊の企画段階でも、国土交通省から全国都市再生モデル調査を紹介してもらうなどのサポートがありました。

質 問: 服部さんのようなリーダーがいなくなった場合の活動の継続方法は考えていますか?
服部氏: 堀川浄化に特化した組織として堀川ライオンズクラブが設立され、徐々にメンバーが増えています。「堀川浄化」という理念を持って若い人が入会しているので、担い手には心配していません。



(記録:黒田 清吾/中央コンサルタンツ(株))

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