2001年度 9月交流会

【日時】2001/9/25 14:00〜17:00 【場所】(財)名古屋都市センター会議室

 交流会は定刻より開始されました。今回は地方都市での具体的な取り組みのお話であり、大変興味深くお聴きすることができました。「老齢者にこそ都心居住が向いている」とは、エネルギー問題や交通問題といったものとはまた異なる視点であり、かつ身近に感じられる切り口でした。
 講師の方を含む20余名のご参加によって、会場の時間制限いっぱいに活発な議論がなされました。

 以下、交流会記録を掲載いたします。


「豊橋市における都市居住のあり方」

豊橋市建設部住宅課   加藤 智久 氏

豊橋市の現状

・毎年およそ2,000人の人口増加が続いている。
・豊橋港から多くの輸入車が入ってきている。
・浜松と経済的な交流がある。
・基盤整備(下水道)が行き届いている。
・市営住宅では、高齢者の入居待ちが多くなってきている。

取り組み事例

 豊橋市では、今年の3月に具体的な住宅マスタープランを策定したが、その中での取り組みや事例を中心に、豊橋市における都市居住(都心居住)のあり方について考えている。

・旭本町にある高齢者住宅(コレクティブハウジング)

・池上住宅の建替え整備事業―環境と共生した高齢者住宅―空中路地裏

・柳原住宅の外壁改善―灰色という公営住宅の概念を打破し、明るいイメージに

・三河材を使用した豊橋型住宅の創設、普及

・中心市街地の空洞化


◆質疑応答

 今回の交流会では、参加者に対して事前に質問票を配布し、お話後の休憩時間に回収しました。これを担当会社((株)宅地開発研究所)が集約、まずはじめに代表的な質問をピックアップして加藤氏にお伺いし、その後は自由発言する、といったスタイルを取りました。

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Q.都心居住のニーズというものが実際にあると考えていますか。

A.アンケート調査して分析の最中です。ただ、こうした閉塞感のある時代に何か新しい手を打つということを考えた時、行政としてはマーケットの意向よりも先導的な事業として提案していくことが必要ではないかと思っております。

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Q.高齢者住宅を造るときにいろいろな世代を混ぜた方がよいのではという意見はなかったのでしょうか。

A.当然そのような議論はありました。4,100戸の市営住宅の管理でいろんな問題等に対応してきた経験のなかで、世代を分離して考えるのも一理あるのではと試験的に行っている面もあるので、今後何年かすると結果が出るのではないかと思います。現在のところ、大変うまくいっていると感じています。

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Q.豊橋型賃貸住宅供給制度というものについてもう少し具体的に教えてください。

A.特定優良賃貸住宅制度、高齢者向け優良賃貸住宅制度、借上げ公営住宅、コーポラティブハウス、等価交換方式、スケルトン・インフィル住宅、建物譲渡特約付定期借地方式などの多彩なメニューを総称して「豊橋型賃貸住宅供給制度」と名づけました。このメニューを地権者やデベロッパーに提案していこうとしています。

Q.特定優良賃貸制度の運用の見直しとありますが、具体的にはどんな所を見直すのですか。

A.市独自の融資・助成、家賃補助、容積率の緩和などの支援策や住宅の適正規模について、最新の事例等を参考に検討しているところです。

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Q.高齢者住宅の共用スペース(サロン)の電気代は市のほうで負担しているのですか。

A.太陽光発電で十分にまかなえる範囲であり、それと市としては公民館的な考えによって、共用スペースの電気代などを負担しています。

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Q.柳原住宅の外壁改善についてですが、改善したのは外壁だけですか。

A.建物についての改善で、外壁や防水関係の改善をメインに行っており、住宅各戸の内装までは改装していません。

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Q.都心居住を促進しようとしても実際には郊外に住宅ができて人口が増加しているのが現状だと思いますが、都心居住を促進するために、郊外では住宅の供給を抑制するという両面で考えていくことも必要ではないでしょうか。

A.郊外での民間住宅建設に対して、基盤整備という面で市としてバックアップはしてきたが、抑制することは考えていません。しかし、宅地等が売れ残ってきているのも現状です。

Q.都心に住める環境を整備していくことが大切だと思いますが、そのあたりについてどのように考えていますか。

A.生活していく中で、日用品の販売店が少ないのが現状です。これについては、住宅整備と平行して整備しなければいけないと思います。また、文化施設等の整備の計画も平行して進んでいます。


〜〜時間制限により閉会〜〜

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