2000年度4月交流会

【日時】 2001年4月20日 15:00〜17:00 【場所】(財)名古屋都市センター14階 第3・4会議室


 「愛知万博とまちづくり」 


話題提供

愛知県博覧会推進局計画課  河内 芳博氏

 みなさんにお渡ししているパンフレットからお話ししたいと思います。
  昨年12月15日パリ国際博覧会事務局で承認されたこと以外は基本的には決まっていませんが、9月19日にBIEに承認を受けた地図がパンフレットに載っています。そして本年3月19日堺屋さんが最高顧問になり進められています。昨年11月9日BIE調査団によって海上地区と青少年公園地区に分けられました。BIE調査団の要望として国際的イベントであるので海外からの参加者から不満が出ないように公式参加者、海外ゾーンは青少年公園側のメインにしました。わたしたちは、平成6,7年頃から「自然の叡智」というテーマで進めてきましたが、堺屋さんはこれからコンセプトを決めて取りかかろうとしています。コンセプトからテーマへどうやってうまく持っていくか検討中です。
  名称に「愛知」という名前が入ったことは成果があったことだと思います。
  サブテーマの「宇宙、生命と情報」、「人生の"わざ"と知恵」、「循環型社会」とありますが、「言うはやすし、行うは難し」で21世紀のひながたづくりとしての具体例は、「宇宙、生命と情報」は宇宙は21世紀とどうつながるか、「人生の"わざ"と知恵」は子供たちの教育、チャレンジ性、創造性の育成、また外交的には南北問題、「循環型社会」は資源を効率的に使うことなどです。技術的なものだけでなく、日本内だけでなく、世界的に考えなければなりません。
  会場計画の考え方についてはテーマである「自然の叡智」にふさわしい会場計画となるように計画を行いました。@限られた造成地を最大限に活用し、自然をなるべく保全する会場計画とする。A森林の環境を生かし、多くの人々に自然を体感してもらうようにする。B建築は、地形を生かし、周囲の自然と調和した建築とする。C省エネルギー、新エネルギーの積極的導入により、二酸化炭素の排出量を大幅に低減する。D可能な限りのモノや水の循環を行うと同時に、ライフスタイルや新技術の情報発信の場となる「ゼロエミッションを実感できる国際博」とする。ゴミの分別をし入場者もゴミを持ち帰るなどしたい。楽しく、満足感のある、また、経済面も考慮したい。海上地区は県と国の出展とし、自然と自然の交流の場となるとよい。また、環境共生住宅ゾーンとして20年、30年後をターゲットにした住宅環境をイメージして行いたい。展示後即購入はコスト的にも難しいので、いいアイデアをぜひ出してほしい。
  観客輸送の考え方にのっとって交通機関の工事をぜひ博覧会に間に合わせたい。藤が丘から八草への新しい交通機関の用地はただいま交渉説得中です。鉄道6割、車4割で考えています。
  12月21日に行われた検討会議では市民代表が参加する形での検討が行われるべき分野として@海上地区の会場計画のモニタリングA検討会議提案のフォローアップB海上地区の長期的な保全・活用C市民万博としての広域展開万博の推進が挙げられました。
  愛知万博事業に関する基本原則ではG外国政府、日本政府、自治体、企業とあわせて、市民参加のいろいろな形態の追求においてはまちコンに期待しているところです。中味内容で勝負してシンボルは太陽の塔のようなものではなくもう少ししっかりしたものにしたいと堺屋さんは言っていました。また、市民、町民のメリットを考え深く掘り下げた提案をまちコンに期待しています。堺屋さんは6月までにはコンセプトからテーマ、ストーリー展開へと行いたいと言っていますが、コンセプトからテーマへの移り方や脈絡がポイントだと思います。
  今後のスケジュールとして2001年に基本計画の策定、催事、会場計画の策定、2002年に着工前の実地設計が目標です。とにかく今年1年が勝負です。

愛知県建設部住宅整備課

   勢力 常史氏(前博覧会推進局)

 前担当者の勢力です。南半分の検討として海上地区は環境に配慮し造成基本設計では造成面積を少なくすること、新技術・新工法を取り入れ自然と人との議論などが大切です。


質疑応答

司会進行 宅地開発研究所支所長    伊藤 智和氏

貴重なご意見をありがとうごさいました。博覧会では、時間のない中、市民参加のシステムが課題で広域連係によって行い、ソフト面が大切であるということです。

コンセプトにおいてはハードではなくみんながつくるストーリーを

堺屋さんのいう1500万人の意図はなにか、情報プロセスを現状認識へ、またソフト面を重視した県民運動によって県の財産を残すべきだと思う。

万博そのものはなにをやろうとしているのか、知識を得るなど一般の人にはわかりにくいので、具体例を出して理解してもらうべきだ。愛知中部は産業は上だが、国際感に乏しい。ヨーロッパの案内標識は三カ国語以上表示して国際化している。万博地以外の市町村の協力参加、地域住民が参加しやすい、わかりやすいPR方法をまちコンがいろいろと提案していきたいと思う。

コンセプトとテーマは主催者側(県)ではなく県民運動の参加によってまちづくりへとさらに継続しこれを受け止める受け皿を県が用意してほしい。

県とか市民はどうでもいいからお題をはっきりしてほしい。その題によって仕事を早くしたい。

万博を基にしてまちづくりへつなぎたい。

県民中心の21世紀のライフスタイルとしてたてまえではなく本音で自然を環境へ結びつけることが大切である。

祭りとしてもりあがる基本ルールがほしい。

ワークショップや阪神大震災の教訓などを生かしてソフトづくりを

愛知万博と愛知を強調しているがもっと世界をテーマにするべきで、市町村は愛知ではなく世界と結びつけて考えたいはず。自然と人との関係なしでは万博会場内では無理、会場を通り越して他府県へ。ヘリコプターなどを使って長野とか自然のある所へ移動できるようにしては。地図ももっと細かく書いてほしい。

結果としてなにか残るものより楽しめる場、遊園地とは違うが。市民参加、県民参加のプロデュースを持ち込むことは結果。

コンセプトから仕事へつながりそこから市民へ。

博覧会はテーマに忠実に展示、小学生や社会見学ならよいが、リピーターは難しい。面白さに期待。非日常性をどうやって日常性とするか。若者は国際的になっている。デザイン博ではガードフェンスの絵が非日常性から日常性へとなったよい例もある。市民参加があれば仕事しやすいが、上から言われてもまちづくりは難しい。万博を契機に畑をよくして各業者(みんな)が仕事をできるようにしていこう。畑づくりが今後のきっかけになるとよい。

企業の見栄の張り合いでは。21世紀は市民参加の充実が畑作りである。また、金がありそうでない、企業から金を出させていかにおもしろいものをつくるかが我々の仕事。企業がステイタスを高める。愛知は県民という概念に乏しい。県と住民のつながりがあまりなかったが万博を契機に変わるとよい。

堺屋さんや日本の中でもあまり関心がない。国際的も大切だがまず国民的に。東京ではあまり知られていないのが現状。宣伝の仕方もまちコンにアイデアを期待している。

渋谷の大看板をもう少し考えろ。

パンフレットの広域図等もう少し細かく、まわりの近県の配慮もしてほしい。名物、名所なども。

まだ、話したりないようですが、時間の関係もありますので。みなさん大変お忙しい中きていただいてありがとうごさいました。ごくろうさまでした。


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