建築家 佐久間達二の夢
企画 鋤納忠治・高橋博久
発行 エルイー創造研究所 2010年7月9日
目 次
第一章 建築家の芽生え
第二章 吉田鉄郎との出会い
第三章 コンペにかけた思い
第四章 生き様をみせた建築教育
第五章 47歳、覚悟の独立
第六章 見事、再刊させた『C&D』
第七章 建築家職能確立への闘い

建築家佐久間達二さんの追悼本です。
2009年7月9日、建築家・佐久間達二さんは、92歳でこの世を去りました。
1917年に会津若松で生まれ、日米開戦直下の1941年に名古屋高等工業学校を卒業、逓信省入省後はあこがれの吉田鉄郎直属の部下として、吉田の思想を学びながら、建築の理論と作法を身につけます。勤務のかたわらで挑んだNHK名古屋放送会館コンペでは佳作、続く愛知県文化会館コンペでは三席という実力です。
47歳で独立してからは、一貫して建築の公共性を目指し、旧日本建築家協会東海支部長や愛知設監会長在任中には、建築家職能確立に向け活動されていました。
本書は、佐久間さんが残した建築作品、スケッチ、遺稿が集めてあり、佐久間さんの人柄や信念がよく伝わります。また、名古屋の昭和の建築界がどういうものであったかなど、今ではなかなか知ることの出来ない舞台裏も垣間見え、建築が好きな方はもちろん、一般読者でも大変読みやすい一冊となっています。

小澤李紗(株式会社 エルイー創造研究所)/2011.4



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