日本人はなぜ環境問題にだまされるのか |
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編著:武田邦彦 | ||
出版:PHP研究所
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最近、至る所で「環境」という言葉が氾濫し、どこもかしこも「地球環境を守ることが最優先」という感じです。そんな中、何となく「環境対策」は大切だと思いつつ、マジメに「環境問題」を学んでいない自分としては、どこまでが正しくて、どこかに嘘がないか、騙されていないか、ということを漠然と考えていた時に、この本に巡り会いました。 『二酸化炭素がふえたから温暖化したわけではない! それほど温暖化もしていない! そもそも温暖化は悪いことではない! にもかかわらず、「南極の氷が溶けている」「ツバルが沈むほど海水面が上がっている」とウソ報道に洗脳され、エアコン28℃で酷暑を我慢する。しかし京都議定書をまじめに守っているのは日本国民だけで、政府もそれを隠蔽したのだとしたら・・・・・。「わが社はCO2削減に全力を尽くしています」。聞こえのいい偽善にだまされ、損をしないために、すぐ知っておきたい環境問題のからくり』と本書の内容紹介では示しています。 例えば、地球温暖化論議に疑問をもってみると、気温の変化は太陽の活動との関係が深いこと、CO2よりも海水を含めた水の影響の方が大きいこと、CO2が増えるのは人間が出しているCO2よりも、気温が上がって海水から出てくるCO2の方が多いこと等、本書ではかなり平易にデータを示しながら解説しています。 決して、地球温暖化・環境問題に対して、みなさんが実行している環境行動を否定したいわけではありません。本書の指摘にあるように『環境問題は多くのことが複雑に絡み合っているため、十分に内容を吟味し、正しい知識を総動員させ、総合的に判断しなければならない』事柄で、本書は多くのことを気付かせてくれると思います。 都合の良い情報だけに着目し、逆説には目を向けないという立場の情報が散見される中で、バランス感覚を持って「環境問題」を確認してみたいという方にとっては、是非、ご一読をお薦めしたい本です。 |
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筒井康史(三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株))/2009.7 |