コミュニティ・ビジネスの実践
編者:財団法人 東北産業活性化センター
発行:株式会社日本地域社会研究所/2000年10月12日第1刷発行

 全国的に、中心市街地の活性化の取組みが進む中、空店舗対策を試みてもなかなか埋まらず商業による活性化に行きづまりを感じている商店街が多いのではないだろうか。
 コミュニティ・ビジネス(細内信孝著)については、すでに、本コーナーでも紹介されているが、わかりやすく言うと、「住民が主体となり、地域に密着し、地域の活性化と元気づくりを目的とする事業活動」、略して「地域密着型事業」と言われている。
 自分が理解するところでは、地域にある「人」、「もの」、「金」を地域の中で循環させることによって、地域で生産、消費、雇用を創出し、地域の経済・産業を活性化させることではないかと思われる。大企業が進出したとしても、地域に還元されるのはわずかであるが、コミュニティ・ビジネスはそのほとんどが地域に還元されると言える。
 本書で紹介されているコミュニティ・ビジネスの実践事例で、中心市街地や商店街関連のものとしては、空ビル活用による企業支援の山形ベンチャーマーケット、地域密着型の宅配やコンビニなどを手がけている東京都足立区の潟Aモールトーワなどがあげられている。中心市街地を活性化しようと考えている方々は、市民起業による地域のニーズにあったサービスを提供するコミュニティ・ビジネスに取り組んでみてはどうだろうか。
 

岩田晴義(ランドブレイン竃シ古屋事務所)2002.11

 

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