賑わいを取り戻すための谷汲門前街並整備/岐阜県揖斐川町 

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 門前街/街並整備

 

■はじめに

 谷汲門前街は、岐阜県揖斐川町に位置し、西国第三十三番満願霊場として多くの参拝者が訪れる「谷汲山華厳寺」の参道の商店街です。年間約100万人が訪れ、観光地として長い歴史がありますが、公共交通機関として利用されてきた名鉄谷汲線の廃止などにより、観光客の数は減少傾向にあります。しかし、54年ぶりの谷汲山華厳寺の御開帳が決まり(平成21年3月1日〜3月14日)、谷汲門前街はこのところ活気づいています。
  約1年半の間に、谷汲門前街並づくり委員会と揖斐川町が協力し、門前街を活性化させるための様々な取り組みがされてきました。エルイー創造研究所は、地元住民の意識調査や、来訪者の評価などを元に、華厳寺の1200年続く歴史を感じさせるような街並みをつくる整備計画案を作成しました。そこから今回実施された整備内容をご紹介したいと思います。

桜並木が美しい門前街


■ほていやの改修(平成19年12月改修)

 谷汲門前街における街並み修景事業の第1号店として、揖斐川町より補助を受け修景を行いました。江戸時代を思わせ、門前街に相応しいデザインということで、格子や漆喰などの要素を取り入れました。店舗と自邸は数回に渡る増改築で、継ぎ接ぎな印象でしたが、屋根や小庇を連続させる設計により、まとまりのある店構えとなりました。

ほていや改修後


ほていや改修前


■参道らくらくバス待合所の設置(平成20年2月竣工)

 既存の観光プラザやトイレなどと呼応しながら、鎌倉時代をイメージさせるデザインとういことで、山城の無骨さを感じさせる力強い木組みや櫓の要素を取り入れました。

待ち合わせにもってこいの時計台


■はなもも公園の整備(平成20年3月竣工)

 公園には揖斐川町の花である「はなもも」の木が沢山植えられていましたが、雑草が生い茂り、放置された状態になっていたところを整備しました。ループ状のデッキがはなももの木々の間を抜ける散歩道と、ベンチや芝生などの休憩できるスペースを設けました。大正時代を思わせるデザインということで、ペンキ塗りの白い木造休憩小屋や色ガラスを連想させるビー玉で、イメージを喚起させています。

はなもも満開の公園


■谷汲山門前街並マップの作成(平成20年3月発行)

 表面は、門前街を歩いて楽しめるように、地図と見どころを掲載し、裏面は、谷汲山の歴史を会話調でわかりやすく紹介しています。両面に、オリジナルキャラクター(たにやん、ぐみっち)が登場し、谷汲山を案内しています。

谷汲山門前街並マップの表面


 その他にも、各店先に屋号を染め抜いたお揃いののれんをかけたり、華厳寺の命日である18日に合わせて各店舗がサービスを行う「谷汲山十八日まつり」を毎月実施したりと、谷汲門前街が一体となって、かつての賑わいを取り戻そうと一所懸命に努力をしています。最近は谷汲門前街並づくり委員会の会議でも活発な意見交換がされており、街並み活性化の取り組みが、地域の連携の強化にも繋がってきています。何度でも訪れたい谷汲山門前街を目指して、日々邁進中です。

店先のお揃いののれん


坂戸尚子((株)エルイー創造研究所)/2008.7

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