知多半田駅前地区第一種市街地再開発事業
■知多半田駅前にまちのランドマーク誕生 半田市は、名古屋市の南約30km、知多半島のほぼ中央に位置する人口約12万人(平成18年)の都市です。天然の良港「衣ケ浦」に面し、古くから海運業が盛んでありました。江戸時代には海運の利便を背景に醸造業が隆盛となり、これら産品の運搬を通じ、江戸をはじめ全国各地との交流が活発に行われた歴史ある都市です。 |
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■環境と人にやさしい建築デザイン建築全体は白を基調としており、駅前広場に面したカーテンウォールはLow-Eガラスを採用、内部にはロールスクリーンを設けて日射コントロールを図り省エネルギー設計を行っています。駐車場立面には縦ルーバーとヨットの帆をイメージした光触媒テントルーバーが街にリズミカルな表情をみせています。このルーバーは自然換気と日射抑制の機能に加えて近隣に対しての目隠しの機能を兼ねています。また、コミュニティ道路に面した北面は有孔折板、アルミルーバー、アルミパネルなど数種類の素材をコラージュして、軽快な表情をつくりました。細かく分節された表情が近隣への圧迫感を軽減し、刻一刻と光に呼応して表情を変えています。 |
■半田コアゾーンでの都市居住の魅力づくり 蔵の街並み、身近な自然、遠くに見える海。ここではアーバンリゾートライフをコンセプトに掲げて半田の多様な魅力を活用しながら質の高い駅前居住空間を提供しています。住戸専用の高層棟は3面にバルコニーを回し街に爽やかな印象を与えるランドマークとして計画しています。広いバルコニーは居住空間にゆとりを持たせるとともに、建物外観に陰影を与え生活感を出さない仕掛けとしても機能しています。 |
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■地方都市の身の丈にあった再開発当施設の最大の特徴は住居、公益、商業などを複合化することで魅力と利便性を高め、それらを、法定容積を使い切ることなく街に必要な最適の規模で計画したことです。商業施設についても、地元に密着して安定した営業が見込まれる地元専門店を中心とした商業施設を目指し、半田市および知多半島の有力専門店に出店を募りました。結果的に巨大資本の大型店舗を導入するのではなく、地域密着型の店舗を取り入れて26店舗、実売場面積約600坪の専門店からなる商業施設をオープンさせることができました。また、当施設内は電子マネーEdyを全館導入しており、「ごんのおさいふかーど」として地元商店街との連携を実現しています。
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■そして現在〜再開発ビルができてから〜 平成4年の再開発研究会発足以来、長く計画にお付き合いいただいた権利者は1人の転出もなく権利変換を行いました。現在、その権利者の方々には、商業・業務、公益、駐車場部分についてビルを管理する権利者法人「(株)はんだ賑わいビル開発」に全員が参加いただいています。この会社は、半田市以外の14名の権利者全員が出資する権利者法人であり、家賃徴収、販促活動等施設部分の運営を行っており、ビルメンテナンス業務は外部に委託しています。
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石井 桂治・野々部 顕治((株)アール・アイ・エー 名古屋支社)/2008.5 |