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蔵のまち
半田市は、愛知県南部の知多半島のほぼ中央に位置し、江戸時代から酒、味噌、溜り醤油、酢などの醸造等の産業とともに発展してきました。市内には31台にものぼる山車があり、5年に一度、これらの山車が一堂に集結する山車まつりが開催されます。最近では2002年に開催されました。
蔵のあるまちは、半田市中心部のJR半田駅の東側に広がっています。ここには、食酢で全国的に有名なミツカングループの本社及び博物館「酢の里」、中埜酒造の酒蔵を改装した「国盛酒の文化館」があり、これらの施設を中心にとした運河沿いには昔ながらの蔵が立ち並んでいます。
運河沿いの蔵のある風景 |
国盛酒の文化館 |
博物館「酢の里」 |
酒の文化館と酢の里を結ぶ小路 小栗家住宅と中埜半六邸もこの小路に面している |
近年、蔵のあるまち周辺では、旧カブトビールの赤煉瓦建物の保存・活用を検討する「赤煉瓦倶楽部」、「紺屋海道研究会」、「半六倶楽部」、平成16年に国登録有形文化財の登録がされた「小栗家住宅」の取組みなど、地域の資源である建物や町並みを保存・活用を進めるグループだけでなく、既存のボランティア連絡協議会と日本福祉大学の学生有志などが連携して小学生によるPRビデオづくりのサポート、中心市街地活性化の取組みの一環である明治の洋館を活用した紅茶専門館T'sカフェなど、多種多様な活動が活発になってきています。
旧カブトビール工場の赤レンガ建物 |
2004.10.23 名古屋都市センターのまちづくり見学会で 赤レンガ倶楽部や紺屋海道のメンバーが案内 |
中埜半六邸 |
2004.10.23,24 半六邸茶会 |
これまでの半田は、上記で紹介したような地域の多種多様な地域の活動や地元企業の博物館が個々で取り組んでいましたが、2005年2月26、27日に開催されるイベント「蔵のまち雛祭り」では、地域の活動や企業が連携して、これらの12の拠点が雛祭り会場となり、様々な催しが開催されます。市民グループによるまちづくりの例は東海地域でも多々見られるようになっていますが、半田のように市民グループと地元の有力企業が連携して取り組む例はあまりありません。なお、蔵のまちづくりに関しては、行政(半田市)はあまり表に出ず、後方支援といった感があります。
2005年2月17日には隣町の常滑市に中部国際空港が開港します。また、平成16年度には、「半田蔵のまち回遊性向上推進調査」が全国都市再生モデル調査に選定され、知多半島全体の計画「中部国際空港を核とする知多半島観光再生構想」が、国の地域再生計画の認定を受けました。蔵のまち半田の注目度が増しつつあります。
市民グループや地元の企業が連携した取組みはまだ始まったばかりですが、地域資源を活用したイベントを通じて、蔵のまち半田の良さを地域の人や訪れる人々に知ってもらうとともに、地域の活動や企業の連携が高まることが期待できます。時間はかかるでしょうが、この取組みが継続し、空港開港などのインパクトを活かせれば、蔵のまち半田は面白くなる可能性があります。蔵のまち半田のまちづくりは、今後も要注目です。
春扇楼末廣 (1943年に完成した黒澤明初監督作品「姿三四郎」 の ロケ隊が昼食をとった料理旅館) |
2004.10.23,24 半田の映画の歴史と半田の町並み写真展 |