地元大学との連携・交流による中心市街地の活性化/愛知県西春町

<キーワード>
中心市街地活性化/空き店舗活用/大学と地域との連携・交流

中心市街地活性化の動き

 全国的に「中心市街地活性化」がまちづくりの大きな課題として取り上げられ、平成10年に中心市街地活性化法が施行されて以来、既に全国535市区町村(552地区)で基本計画が策定されています(平成15年1月現在)。ここで取り上げる愛知県西春町においても、平成13年度に基本計画を策定したところです。その対象エリアである西春駅西地区では、土地区画整理事業や街路事業といったハード事業とともに、町内にある名古屋芸術大学との連携・交流によるソフト事業を展開し、中心市街地の活性化に取り組んでいます。

大学生が駅前に大集合!

 西春駅西側にある空き店舗を活用し、名古屋芸術大学平田哲生教授を中心とした活動組織であるN/N(エヌ・ツー、西春町と名古屋芸術大学の頭文字を組み合わせたもの)が、芸術系大学という特徴を生かし、以下の3つを柱とした地域との連携・交流事業を行っています。

(1)学生の作品の制作・発表・販売の場づくり(交流拠点づくり)

 平成14年11月から学生や卒業生等の展示・販売の場として利用しています。地元の商店街の方にも作品をたくさん購入して頂きました。現在は限られた時間しかオープンしていませんが、今後は町民の方がもっと気軽に来られるような企画を考えていく予定です。

(2)芸術体験学習

 学生が先生となり、地元の小学生やお母さん方を対象とした工作教室を定期的に行っています。夏休みにはガラスコップややきものを使ったウィンドベル(風鈴)づくりやプラスチックジュエリーづくり、冬にはクリスマスツリーライトづくりに挑戦しました。

(3)芸術イベントの開催

 西春の一大イベントである七夕まつりに、学生の演劇グループによるプチ芝居を行いました。ユーモアとパワーあふれる芝居に子どもから大人まで大笑いでした。また秋にはお月見アートイベントにより、商店街の方や町民の方と交流を深めました。

若いパワーでもっと活気ある駅前を目指して

 地域の知的資源であり人的資源である大学が中心市街地に目を向け、まちの顔である駅前の商店街の空き店舗を活用した芸術・交流活動は、西春らしい独自の中心市街地活性化の取り組みです。まだ試行錯誤の段階で、取り組み体制や資金的な面での課題も多く、軌道に乗った活動とは言えませんが、今後も大学生の若いパワーが西春のまちなかを活気づけてくれることを願ってやみません。

N/N(エヌ・ツー)
西春町大字九之坪北町61 第23オーシャンプラザ1F TEL/FAX:0568-25-2705
Eメール:n2-project@cronos.ocn.ne.jp
ホームページ:http://www5.ocn.ne.jp/~n2online/

加藤 達志((株)都市研究所スペーシア)/2003.1

▲トップページに戻る▲