名古屋市のパートナーシップ事業
城山・覚王山地区魅力アップ事業の紹介/名古屋市千種区

<キーワード>
MAPづくり/歴史を活かしたまちづくり/音楽を取り入れたまちづくりイベント/市民のネットワーク

 行政主導で始めたまちづくりの仕組みが、市民活動に刺激を与え活発になっている事例として、名古屋市千種区の「城山・覚王山地区のまちづくり」をご紹介します。

概要

 「城山・覚王山地区魅力アップ事業」は、「名古屋新世紀計画2010」地域別計画の「千種区の魅力づくり」の1つです。
[地区の特徴]
 城山・覚王山地区は、起伏に富んだ地形で、季節に応じて桜や紅葉が楽しめます。また、由緒ある寺社や魅力的な近代建築など貴重な文化資源も豊富にあります。毎月21日の縁日には、覚王山日泰寺参道は多くの人で賑わっています。江戸時代には月見の名所として知られており、月見坂町、観月町などの町名が残っています。今後もお月見コンサートなどを開催し、月見の名所としてPRしていく予定です。
[実行委員会設立]
 この事業を推進するために、2001年2月「城山・覚王山地区魅力アップ事業実行委員会」が設立されました。設立に際しては、区役所まちづくり推進部が呼びかけたのですが、徐々にメンバーが増え、住民、商店街、寺社、大学の先生、高校の先生、学生など現在約30人の方が参加しています。この実行委員会の目的は、城山・覚王山地区の魅力の「発見」「創造」「発信」ということで様々な事業に取り組んでいます。


ポイント1
MAPづくりがまちづくりの第一歩

「まちの魅力再発見ワークショップ」でオリジナルMAPの作成
 参加者がグループに別れて、ポラロイドカメラを持って出発。途中で魅力を発見したら撮影。撮影した写真を使ってオリジナルMAPの作成に取り組みます。日常では気がつかないものを発見し、「こんなものがあったんだ!」と地元の人も驚いています。

まちの魅力再発見ワークショップ(2000年11月) まちの魅力再発見ワークショップ(2002年4月)


子供たちもMAPづくり
 NPO法人名古屋おやこセンターが中心となって開催した子供たちの町探検ワークショップ「なごやコロンブス」でも、城山地区のMAPを作成しました。子供たちの発見には驚きます。

みんなでMAPづくり 完成したMAPの発表


「み・ちくさMAP−歩いて見つける城山・覚王山−」の発行
 住民、学生などが地域の魅力を発信しようと、手作りのガイドMAPを作りました。坂の多い城山・覚王山は、大変景色の良いところが多くあり、それを伝えたいという思いでイラストをはめ込んでいます。


ポイント2
歴史を活かしたまちづくり


 城山・覚王山地区は、お釈迦様のご真骨のある日泰寺があり、江戸時代から観光名所となっている五百羅漢があったりと、歴史の魅力がいっぱいです。また、昭和初期の魅力的な近代建築も残っています。これらをまちづくりに活かせないかというのが、現在実行委員会活動の大きな柱となっています。
まず知ってもらうこと
 近代建築の魅力を知ってもらうための企画として、「史跡散策」を開催したり、昭和初期に建てられた近代建築「旧昭和塾堂」と「揚輝荘」の一般公開を行いました。
各イベントとも、地域の住民が何百人も参加し、関心の高さを実感しています。

旧昭和塾堂 揚輝荘 聴松閣

保存活用を話し合う
 「平成13年度城山・覚王山まちづくり発表会〜歴史を活かしたまちづくり〜」を開催
 郷土史家、建築史研究者などの講演や、様々な取り組みの報告があり、最後に全員参加型のディスカッションを行いました。


ポイント3
音楽を取り入れたまちづくりイベント


 各種イベントには、積極的に音楽演奏を取り入れ、楽しい企画にし集客を図っています。
 まち探検ワークショップの途中で楽しい演奏を聞いたり、講演会の合間に生演奏でちょっと一息したりしています。
 近代建築の公開では、実際にそこで音楽演奏を聴くことで、使われている空間を感じることができます。揚輝荘では、かつての舞踏場のイメージが生演奏によってよみがえります。

旧昭和塾堂の一般公開のミニコンサート
(昭和塾堂附属体育館 現:養心殿)
まちづくり発表会で小学生の演奏
(ルブラ王山)
ワークショップ途中でアンサンブルのミニ演奏
(揚輝荘 聴松閣地下)
揚輝荘一般公開で椙山女学園筝曲部の演奏
(揚輝荘の庭)


ポイント4
連携事業によるネットワークの広がり


どんどん広がる市民のネットワーク
 まで、別々に活動していた市民活動団体が、城山・覚王山魅力アップ事業に関係することで、新しい結びつきができています。
 例えば、史跡のガイドボランティアをやっている「千種郷土史学習会」と隣町で子供対象に環境デザインワークショップを開催していた「子ども建築研究会」が、覚王山地区で一緒にまち歩きのワークショップをやりました。子ども建築研究会は、次に「覚王山商店街」と協力関係ができ、商店の看板づくりなど、覚王山商店街でワークショップを開催しました。「NPO法人名古屋おやこセンター」は、新規事業として「子どもたちの町発見・町づくりワークショップ」を城山地区で企画し、「千種郷土史学習会」、「子ども建築研究会」と、さらに市民吹奏楽団「ウインドファミリーなごや」と一緒に開催しました。地元の学校である、椙山女学園高校や名大附属中学の生徒も事業に参加するようになりました。このようなネットワークの広がりの中で、地元の新聞販売店も実行委員になり、事業の広報に力を入れ始め、ますます活気が出てきています。

千種郷土史学習会の方から
説明をうける子供たち
名大附属中学の選択プロジェクトで
覚王山のMAPづくり


 城山・覚王山地区魅力アップ事業実行委員会は、現在3つのワーキンググループに分かれ、各グループで地区の魅力アップに取り組んでいます。
3つのグループとは、「散策路ワーキング」「歴史ワーキング」「事業ワーキング」です。
 これらを総合して住民主体で地区のマスタープランづくりを進めていく予定です。
 今後の活動にご注目ください。

川本直義(エルイー創造研究所)/2002.7

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