学童保育づくり  

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 コミュニティづくり

 ある時、我家のポストに「学童保育を作りませんか」というビラが入りました。
 その頃、我家は夫婦共働きで子供は二人とも保育園に通っており、小学校に入るまではまだ2年の有余があったのですが、このビラを境に急に現実問題となり、その集いに参加しました。
 その中で、この小学校区には学童保育が無く(新興住宅地のため)、他の小学校区には、学童保育の連絡協議会というものがあるらしいという事が報告され、さっそく連絡協議会に連絡をとり、学童保育づくりが始まりました。
 2DKの借家を借り、指導員になってくれる先生を探し、連絡協議会の力を借り、学童保育はスタートしました。

 その後、運営方針の違い等で連絡協議会を離れ、父母による自主運営をやらざるを得なくなりました。
 市からの補助金の受取、新たな指導員探し、指導員の賃金、父母会運営、建物の借金返済(2DKの借家から、父母からの借金で施設を建設)と、今まで連絡協議会まかせで済んでいたことが全て父母の仕事となり、父母での運営に限界を感じ出した時に新たな運営方法として、OBを中心に運営母体を別に作り、その中から理事を選出し理事会での運営という方法でした。運営母体には、OB以外に学童保育(地域ぐるみでの子育て)に興味のある人なら誰でも参加できる組織としました。
 その結果、運営はスムーズになり、父母の運営では解決できなかった問題点もクリアされました。その解決されなかった問題点とは、指導員と父母会との関係です。父母と指導員は、父母と先生でもあるし、労使の関係でもあるのです。この矛盾は、父母が運営している間は永久に存在する問題で、それを解決するのは運営を別組織にするしかなかったのです。
 まちづくりの中で、容器を作ることも大切な事ですが、地域の人々のコミュニティづくりは最も大切な事です。学童保育でたくさんの人々が出会い、地域に学童保育を中心にネットワークが生まれ、そのネットワークが新たな出会いを生み、「地域の子供は地域で面倒を見る」という輪が広がればと思います。

沼沢 等((株)宅地開発研究所)/1999.11


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