◇ 記念講演
|
市民セクターにはいくつかの機能があります。多くのNPOが低コストで公共サービスを提供する機能にとどまっていますが、新しいアイデアや事業を生み出すイノベーション機能、政策提言や社会変革を推進するアドボカシー・社会変革機能なども重要な役割であり、それらを支えるためには、人材確保や社会全体の認知・理解が不可欠です。 ところで、愛知県ではこの春、協働ルールブックなるものが完成しましたが、これは、イギリスで1998年に作られた「コンパクト」(政府とボランタリー/コミュニティ・セクターとの間に取り交された協定書)の日本版第1号ともいえます。イギリスのコンパクトでは、‘NPOを社会に大きな利益をもたらすものという認識のもとで行政が積極的に支援することと、政府とNPOがそれぞれ守るべき約束’が明記されています。また、今年度中にはイギリスの全ての自治体でローカルコンパクトをつくらないといけないことになっています。 今後、市民セクターを発展させるためには、資金や人材の支援と協働のための長期的な計画・しくみづくり、市民活動に対する価値を共有できる社会づくりなど課題が山積しています。しかし、様々な形で社会に参画できることは、市民側からみると楽しい時代であり、明るい未来が見通せるような気がします。 |
(記録:河北 裕喜/(社) 地域問題研究所) |