2014年4月交流会

南海トラフの大津波から逃げろ!!~避難歩道橋と平成の命山を巡る~

 先日、愛知住まい・まちづくりコンサルタント協議会の2014年4月交流会で、沿岸部において津波対策の整備が進められている静岡県吉田町と袋井市を訪れました。
 吉田町は、静岡県の中央あたりに位置する人口3万人を擁する町で、東日本大震災から半年後の2011年11月に町独自の津波想定として1000年に一度の大津波を想定しました。この想定では津波高は8.6m、浸水域の人口が17,000人と町全体の55%を占め、この浸水域からの避難が困難と思われるエリアにおいて、津波避難タワーを15基計画し、2014年3月に全て完成しました。これらのタワーの中では、日本で初めて道路上に整備された「歩道橋型津波避難タワー」が6基あります。平成25年4月に道路法施行例が一部改正されて道路の占用許可対象物件として津波避難施設が追加されたこともあり、このような整備が可能となったそうです。15基も設置するため用地確保が課題であったが、歩道橋型津波波避難タワーを6基確保するなどして、当初4年かけて整備する予定だったのを2年短縮しで整備されました。吉田町での津波避難タワーの基準は、避難デッキの床面積の1人あたり面積は0.5m2、震度7クラスの地震や最大風速55m/sの風に耐えられる構造となっている。1基あたりの工事費は2~6億円。
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袋井市では、平成の命山と言われる湊命山(みなといのちやま)を訪れました。元々、袋井市の沿岸部では、江戸時代に地震による津波や台風による高波により度々被害に見舞われ、2か所の命山と呼ばれる塚が築かれていたそうです。袋井市でも最大クラスの震度7が想定され、津波避難対象地域にある浅羽南地区では、先人の知恵を受け継いで1.300人を避難対象とした海抜10mの湊命山が整備されました。建設までには、地元の浅羽南地区連合会から市長に命山建設の要望書が提出され、市と地元区会と3度の意見交換会の上整備方針が固められ、2013年12月に完成しました。河川の掘削土を利用して盛り土で整備され、1人あたり面積は1m2、工事費は約1.4憶円。

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どちらも施設周囲が平坦で景色がよく広さもあり、常日頃から周辺住民の方々が気軽に利用できるような状態になっていると、いざという時に避難施設としてより有効に機能するのではないでしょうか。いずれにせよ、浸水被害が予想される地域での避難施設を考える上で参考になりました。